老後の「お金」と「健康」への不安を解決するための初心者ガイド

長年現役で頑張ってきた人も老後を迎えるころには、子どもは独立し、仕事からも解放されて時間に余裕ができます。

反面、体力が衰えてくるため、新しいことを始めるには難しい面もあります。

 

老後のことを考えると、「自由な時間が増える」と喜ぶ人もいれば、一方で「不安でいっぱい」になる人もいるのではないでしょうか。

超高齢化社会が加速する日本社会において、老後の過ごし方は現代人が抱える大きなテーマとなっています。

 

ここでは、老後の二大問題とされる「お金」と「健康」について解説します。

 

誰にでもある「老後の不安」が生じる理由

事実、老後のことを考えると不安な気持ちになる人が多くいます。

人は、見えないことには不安を感じやすくなるからです。

老後の不安が生じる理由について、見ていきましょう。

 

老後生活に対する不安は「お金」と「健康」

老後に対する不安の大半は、「お金」と「健康」に関する問題から生じています。

公的財団法人生命保険文化センターの調査によると、老後の生活に対する不安感について以下の結果が発表されています。

老後の生活に対する不安の有無グラフ出典:公的財団法人生命保険文化センター

老後生活に対する不安の有無
  • 非常に不安感あり:19.0%
  • 不安感あり:84.4%
  • 不安感なし:13.2%

※性別にみると、「不安感あり」のうち男性が81.9%、女性で86.4%

 

調査から、多くの人が老後の生活に対して「不安感がある」ことがわかります。

 

続いて、不安有の内訳として具体的に、下記の内容があがっています。

老後生活の不安内容グラフ出典:公的財団法人生命保険文化センター

不安有りの内訳
  • 1位:公的年金だけでは不十分(82.8%)
  • 2位:日常生活に支障が出る(57.4%)
  • 3位:退職金や企業年金だけでは不十分(38.8%)

 

1位と3位は、お金に関する問題です。

2位の「日常生活に支障が出る」とは、認知症の症状や加齢につれて身体の自由がきかなくなることを意味しています。

 

場合によっては、浴室や階段、廊下での転倒・転落などの危険性が考えられるでしょう。

一人での買い物や家事が困難になることもあります。

 

このように、多くの人が「お金」と「健康」に関する不安を抱えていることがわかります。

(参照:生命保険文化センター・「生活保障に関する調査」/令和元年度)

 

老後のことを考えるとモヤモヤする理由

近年では「お金」と「健康」だけではなく、老後生活で孤独を感じる人が多いことから、「生きがい」についても問われています。

このような、不安に対する根本的な原因について見ていきましょう。

 

ひとつは、将来に対する否定的なイメージが先行していることが挙げられます。

昨今では、下記に関するニュースがメディアで取り上げられているため、関心を持っている人も多いのではないでしょうか。

  • 孤独死
  • 老後破産
  • 介護難民
  • 下流老人老後崩壊
  • 老後資金2,000万円問題

 

このような、将来への悲観的なニュースを見聞きすることで、老後に対して、前向きな印象を持つことは難しくなります。

「自分も老後は安心できないのではないか」という恐怖感を募らせてしまうでしょう。

しかし、老後の不安と向き合うためには、世間のイメージではなく、目の前の事実と向き合うことが必要です。

老後不安の世間のイメージ図

どのような事実があるのか、老後の「お金」と「健康」問題をデータから確認いきましょう。

 

データから見る老後の「お金」と「健康」問題

老後の問題を正しく理解するために、「お金」と「健康」に関する実態データを解説します。

 

年金・退職金だけでは不十分

「公的年金だけでは不十分」「退職金や企業年金だけでは不十分」という不安について、先述しました。

実際、どのくらい不十分なのかを、把握しておきましょう。

 

国民年金と厚生年金の平均年金月額や、学歴別の平均退職金について説明します。

 

国民年金・厚生年金の月額

厚生労働省の調査では、国民年金・厚生年金の月額は以下のようになっています。

 

国民年金(老齢基礎年金)

国民年金受給権者の場合は、55,946円
男女別では、男性:58,866円 / 女性:53,699円

 

厚生年金

厚生年金保険(公務員以外の第2号被保険者)の受給権者の場合は、144,268円
男女別では、男性:164,770円 / 女性:103,159円

 

(参照:厚生労働省・令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 P29・30)

 

学歴別平均退職金

こちらも、厚生労働省の調査から抽出しています。

勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の退職給付額を学歴別にみると、以下のとおりです。

学歴別退職金
  • 大学卒(管理・事務・技術職):2,280万円(月収換算42.7月分)
  • 高校卒(管理・事務・技術職):1,970万円(月収換算44.6月分)
  • 高校卒(現業職):1,493万円(月収換算44.9月分)
  • 中学卒(現業職): 1,350万円(月収換算42.6月分)

(参照:厚生労働省・退職給付(一時金・年金)の支給実態)

 

消費収支-収入でマイナス額を考える

一方で、総務省の家計調査報告によると、高齢夫婦無職世帯(65歳以上)の1ヶ月の消費支出は、22万4,390円となっています。(2020年調査)

65歳以上の夫婦消費収支グラフ

出典:総務省

 

高齢単身無職世帯(65歳以上)の1ヶ月の消費支出は、13万3,146円となっています。(2020年調査)

65歳以上の単身消費収支グラフ出典:総務省

(参照:総務省・家計調査報告[家計収支編]2020年(令和2年)平均結果の概要  P18)

 

受給できる年金額については、各々に違いがあるため、日本年金寄稿のサイトや厚生労働省の[年金保険・国民年金事業の概況]をご確認ください。

 

自身が受給できる年金額を算出して、各家庭の支出に合わせてシミュレーションしてみましょう。

大きな出費としては、住宅のリフォーム費用、介護費用、医療費、交際費などがあげられます。

 

本記事では、老後のお金と健康をテーマに解説しているため、医療費や介護費用などの問題をより具体的に解説します。

 

健康に関する基礎(寿命・医療費・介護費用)

寿命には「健康寿命」と「平均寿命」があります。

双方の年齢は、以下のようになります。

 

健康寿命
  • 男性:70.42歳
  • 女性:73.62歳

※健康寿命とは:日常生活を制限なく健康に生きられる寿命のことを指す

 

平均寿命
  • 男性:79.55歳
  • 女性:86.30歳

※平均寿命とは:0歳から死亡するまでの期間を指す

 

健康寿命を超えて平均寿命まで、男性は約9年間、女性は約13年間長生きすることになります。

 

このような理由から、一般的には老後に備えるために「人生80年で計画を立てましょう」といわれています。

しかし、これは適切な考え方ではありません。

 

なぜなら、100歳以上の高齢者の数は8万450人で、かつ年々、増加傾向にあるからです。

今後、さらに長寿化していくことが予想されています。

(参照:厚生労働省・- 2.平均寿命と健康寿命をみる0416)

 

人生100年企画ワーク

これから老後を迎える人は、平均寿命を参考にするのではなく、人生100年時代と考えて、ライフプランを設計することが望ましいといえます。

とはいえ、どのようにしてライフプランを設計すればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。

 

ライフプランアカデミー・未来のミカタ』では、『人生100年企画ワーク』を実施しています。

ワークでは、下記の内容をヒアリングして、必要な生活費と貯金額を算出したうえで、その人にあわせたライフプランを立てていきます。

 

100年企画シートのイメージ画像

 

人生100年企画ワークの項目
  • 現在の年齢・人生何歳と考えているか
  • リタイア予定の年齢
  • 毎月いくらあればゆとりある生活ができか
  • 毎月の年金金額
  • 退職金の予定額

 

専門家から将来に必要な知識を学びながら、ゆたかな老後人生を計画したい人に適しています。

『人生100年企画ワーク』を行うことで、老後の生活に必要な金額がわかるため、ライフプランを立てやすくなります。

『人生100年企画ワーク』は、専任の担当者が対応いたします。お気軽にご相談ください。

【ライフプランアカデミー・未来のミカタ】お問い合わせフォーム

 

老後にかかる医療費や介護費用

老後にかかる費用の中でも、医療費や介護費用は少なからず必要になります。

ここでは、医療費や介護費用がどのくらい必要であるか目安をお伝えします。

 

医療費

厚生労働省から、生涯にわたり必要な医療費のデータが出ています。

下図の生涯医療費(男女計)グラフからわかるように、生涯でかかる医療費は2,700万円となっています。

生涯医療費(男女計)グラフ

出典:厚生労働省

(参照:厚生労働省・生涯医療費(男女計) 平成30年推計)

医療費の半分は、70歳以降に必要になることがうかがえます。

前項で説明した健康寿命(男性:70.42歳 女性:73.62歳)の後に、医療費の負担が大きくなることを現実問題として考えなければなりません。

 

また、内閣府の調査によると、高齢者の死因別死亡率は、「悪性新生物(がん)」「心疾患(高血圧性を除く)」「肺炎」がトップ3を占めています。

死亡別原因グラフ出典:内閣府

(参照:内閣府・平成30年版高齢社会白書(概要版))

 

上図の死因別死亡率から、高齢者の健康は生活習慣病によって失われることがわかります。

医療費の多くは、これらの疾患の治療に使われると予測ができるため、予防できることが最善ですが、万が一のときのために備えること必要です。

 

介護費用

公益財団法人生命保険文化センターの調べによると、介護費用の目安は平均額月額7万8,000円となっています。

要介護・要支援については、65歳以上の第1号被保険者のうち65~74歳の人が約73万人、75歳以上の人が約572万2,000人います。

また、介護費用はこれからの介護度によって変動するため、注意が必要です。

(参照:公益財団法人生命保険文化センター:リスクに備えるための生活設計)

 

これまで述べた上記の数字から明らかなことは、「健康寿命を伸ばすこと」が課せられた課題であることがわかります。

健康寿命を長くすることで、医療費・介護費用の負担が軽減されるため、経済的な余裕が生まれます。

 

「お金」と「健康」の問題を解決する方法

データから老後生活の事実を、読み解いてきました。

ここでは、「お金」と「健康」の問題の解決方法について説明します。

 

健康寿命を伸ばして「健康」を維持するには

健康寿命を伸ばすには、生活習慣病になる原因を知ることで対策ができます。

生活習慣病の原因は、過度な食生活や飲酒、喫煙、運動不足、ストレスなどが挙げられます。

 

今すぐできる対策としては、適度な食事や飲酒、運動、睡眠、禁煙などです。

40歳以降の人は、特定健診の受診をおすすめします。

 

特定健診とは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に特化した健診です。

40歳~74歳の被保険者、被扶養者を対象にしています。

 

診断結果がわかるだけではなく、生活習慣病予防のための保健指導を受けることが可能です。

 

資産にも寿命があることを考えて対策する

生命・健康に寿命があるように、資産にも寿命があります。

これを「資産寿命」と呼びます。

 

これまで蓄えてきた資産が、老後生活を送る中で、尽きるまでの期間のことを意味します。

いかに資産が長寿となるかを考えなければなりません。

 

対策としては、家計の見直し、そして資産形成・資産運用が挙げられます。

資産寿命を長くするイメージ図

  • 家計の見直し:毎月の家計簿をつけて、節約や生活のダウンサイジング(規模を小さくする)をします。
  • 資産形成:健康寿命を伸ばして、現役世代で就労できる(収入を得られる)期間を長くします。
  • 資産運用:外貨預金、確定拠出年金、株式、債券などに投資するなどさまざまな方法があります。

 

資産形成と資産運用は、よく似た言葉ですが意味が違います。

 

ひと言でいうと、資産形成とは資産がない状態で、一から資産を構築していくことを意味します。

一方、資産運用は、一定額の資産を投資によって増やしていくことです。

資産形成と資産運用については、下記ページで詳しくお伝えしています。

 

お金の理解を深めて、正しい方法で資産を作るために、独学では難しいものです。

成功するためのやり方もポイントがあるため、専門家からアドバイスを受けることを推奨します。

 

「ライフプランアカデミー・未来のミカタ」では、ゆたかな人生を過ごしていただくために、資産形成や資産運用について実際に学んでいただけるカリキュラムとセミナーをご用意しています。

資産運用だけではなく、現在の経済状況や年齢に縛られない正しいお金の知識と増やし方をお伝えしています。

 

今回開催するセミナーは、お金に一切の不安もなく自由な生活を手に入れた人たちの実例や『お金の知識』をお伝えすることで、受講後すぐに行動してもらうことが目的です。

 

人数限定の開催となっているため、早めのお申込みをおすすめしています。開催日程や詳細については、下記『セミナー&講座説明会』ボタンのリンク先で確認をしていただけます。

セミナーの前身となる勉強会には、すでに800人以上の方に参加していただいており、インタビュー動画も公開しています。どうぞ、ご視聴ください。

今すぐ『セミナー&講座説明会』の日程をチェックする!

 

 

お金と健康、長寿への道を歩むために

老後に対する不安は、お金と健康に関する問題から生じています。

しかし、世間の否定的なイメージではなく、客観的な事実を知ることで、老後のことを冷静に考えることができます。

 

老後には生活費以外にも、医療費や介護費用が発生します。

体が不自由になりやすい高齢期を不安な過ごすためには、資産づくりだけではなく、無駄な支出をいかに抑えるかという発想も大切です。

 

健康寿命と資産寿命を伸ばすことで、お金と健康に関する問題は解決できます。

ぜひ、『ライフプランアカデミー・未来のミカタ』で、老後もゆたかな人生を過ごすために備えていきましょう。

 

この記事を監修したライフプランアドバイザー
■佐藤 伸次
■合同社長のミカタ代表社員
■健康ファーム代表
■1966年長野県飯田市生まれ
■ライフプランアカデミー・未来のミカタ講師
世界金融の現状を学び、家計の見直し・資産運用などの経済知識を元に、複数収入の構築プロデュースを手掛けている。リタイアメント層サービス・デジタル資産業種・海外保険情報提供など、日々提案できる経済関連情報の枠を拡げている。全国で金融リテラシ―について経済とお金の勉強会を行う傍ら、人生初となる学生のキャリア教育本を出版。

佐藤伸次  LINE Official Account

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